ラ・フォル・ジュルネ de びわ湖2011/04/30 23:24

びわ湖ホールで開催される音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ。今年は震災の影響で一部出演者の変更はありましたが、「とどけ!音楽の力 広がれ!音楽の輪」という被災地へのメッセージ、募金活動とともに開催されました。

今年のテーマはウィーンのベートーヴェン。
オリヴィエ・シャルリエのヴァイオリン協奏曲ニ長調が最高でした。
びわ湖の催しは終わりましたが、丸の内と東京国際フォーラムでは5月5日まで開催です。無料公演や楽しい催しもありますので、東京近郊のかたは、ぜひ足を運んでみてください。

アリス=沙羅・オット ピアノ・リサイタル2011/01/15 19:03

アリス=沙羅・オットのピアノリサイタルを聴いてきました。
曲目は
・メンデルスゾーン/厳格な変奏曲ニ短調Op.54
・ベートーヴェン/ピアノソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
・ショパン/三つのワルツOp.34
  ワルツ2番変イ長調
  ワルツ3番イ短調
  ワルツ4番ヘ長調
・ショパン/ワルツ6番変ニ長調 Op.64-1
・ショパン/ワルツ7番嬰ハ短調 Op.64-2
・ショパン/スケルツォ2番変ロ短調 Op.31

アンコールは
・ショパンのノクターン嬰ハ短調
・ベートーヴェンのエリーゼのために

ちょうど発売されたばかりのベートーヴェンのアルバムからワルトシュタインと日本版ボーナストラックのエリーゼのためにで、昨年発売のショパンワルツ集からの選曲にスケルツォ2番が加わった形です。

あくまでも繊細で荒々しくなったりしない機微にとんだ演奏が彼女の持ち味。アンコールのエリーゼのためになどはその象徴といえるかもしれません。激昂したりせず内に秘めた思いをわずかな変化で表現するあたり、日本の伝統芸能にも通じるところを感じます。

ワルトシュタインなど、ベートーヴェンらしくないなど賛否両論ありそうですが、私は好きです。心洗われる2時間でした。

NEW YEAR 20112011/01/01 23:00

あけましておめでとうございます。

恒例のウィーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートは見(聴き)ましたか?今年は地元オーストリアのウェルザー・メストでした。まじめなメスト、演奏もおなじみのお楽しみ演出もその人柄がにじみ出るような感じでしたね。
そのニュー・イヤー・コンサートへ日本人で初めての指揮者となったマエストロ小澤征爾は腰の調子が良くならず、ちょっと心配ですが、日本人の国際コンクール1位などのうれしいニュースも年末にかけて相次ぎました。その一方でショパンコンクールでは、本選に一人も残らないという状況をみると、音楽家の育成での課題も見えてきそうです。

さて、日本でも、年末は第九やメサイア、年が明けてからはシュトラウス・ファミリーのワルツやポルカを楽しむ習慣が少しづつ根付いてきましたが、加えてドボルジャクの新世界交響曲もよく演奏されますね。何かの拍子で始まった習慣が継続するのは伝統にもなるのですが...

芸団協の文化政策への予算を増やすための署名活動では、60万名以上の署名が集まりました。ありがとうございました。1月の通常国会へ提出されるとのことです。ある人には100万名超くらい集めないととも言われたようですが、政府を動かすにはさらに署名がひつようなのかもしれません。一方、メトロポリタン・オペラなどを初めとするビッグネームの来日公演が今年はありますが、その反面、事業仕分けの波紋は今年から徐々に影響が目に見えてきそうです。

閑話休題、ウィーンでは伝統のワルツを年初に楽しんだり、実際に踊ったりローカルの伝統の文化ですが、その代名詞の一つであるニュー・イヤー・コンサートも外国人が押しかけ、世界に生放送されるようになりました。
昔と違い、年末や正月の雰囲気は様変わりしました。自然や歴史や文化が徐々に失われるなか、何を守って行かなければならないのか。
考えてみる必要があるのではないでしょうか。

2011年1月 ベリオのシンフォニアを聴きつつ

Lieder/Mihoko Fujimura & Roger Vignoles2010/12/19 22:49

昨年二月に聴いた公演、藤村実穂子&ロジャー・ヴィニョレスのライブ録音が発売されました。
SACDマルチチャンネルで聴くと、生で聴いた記憶がよみがえります。

今年もバイロイト音楽祭に出演されるなど、オペラでも広く活躍中ですが、リートもすばらしいです。

ヴェーゼンドンク歌曲集を良いと思ったのは、藤村さんで聴いてから。CDで再び聴くことができ、幸せです。

2009年2月公演のコメント:
http://muna.asablo.jp/blog/2009/02/25/4144636

グレツキ氏死去2010/11/14 10:28

ポーランドの作曲家、ヘンリク・ミコワイ・グレツキ氏が12日なくなったとのニュースが。
前衛的な作風から様相を変え、シンプルでわかりやすい曲想に変貌した後に作曲された、3楽章ともLentの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」が有名で、1楽章は悲歌のテーマが弦楽器のカノンで延々と続き途中ソプラノが入りますが、その後もカノンは続いて静かにに終わります。2楽章は1944年9月25日にゲシュタポの収容所に18歳で投獄されたヘレナ・ワンダと署名のある、壁に残された言葉が元になっており、3楽章はポーランドのオポーレ地方の民謡が使われているとのこと。

「悲歌のシンフォニー」は比較的録音も多いので、明るい曲ではありませんが、ヒーリングミュージックのように聴いてみても良いです。グレツキをご存じない方はぜひ聴いてみてほしいと思います。