ウィーンフィル西宮公演2010/11/06 21:26

昨年のベルリンフィルに引き続き、大阪国際フェスティバルでおなじみのウィーンフィルがフェスティバルホール改築中で兵庫芸術文化センター開館5年事業の一環で西宮公演が行われました。
当初予定していたマエストロ小澤征爾が病気のため変更されてエサ=ペッカ・サロネンでマーラーの交響曲第9番が予定されていたのですが、先月また変更の連絡があり、ニュー・イヤー・コンサートで日本でも有名になったジョルジュ・プレートルが急遽代役に、さらに曲目もシューベルトとベートーヴェンの英雄に変更。
サロネン&ウィーンフィルでマーラーの9番となると聴かずにはおけないという人も多かったはずですが、曲目も変わってキャンセルかというところで代役のプレートルというのがまた聴かずにおくのはもったいないという気にさせられます。で、結局聴きに行ってきました。

さすがのウィーンフィルの音と、プレートルの絶妙の起伏とテンポ。ただしやはりリハーサル不足なのか、ウィーンフィルらしからぬ乱れが多い。
来日中に起こったコントラバス奏者の事故が影響しているのかもという思いもあり仕方ないかなぁ。
シューベルトの交響曲第二番なんていうあまり演奏されない曲が非常に魅力的でした。

グレツキ氏死去2010/11/14 10:28

ポーランドの作曲家、ヘンリク・ミコワイ・グレツキ氏が12日なくなったとのニュースが。
前衛的な作風から様相を変え、シンプルでわかりやすい曲想に変貌した後に作曲された、3楽章ともLentの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」が有名で、1楽章は悲歌のテーマが弦楽器のカノンで延々と続き途中ソプラノが入りますが、その後もカノンは続いて静かにに終わります。2楽章は1944年9月25日にゲシュタポの収容所に18歳で投獄されたヘレナ・ワンダと署名のある、壁に残された言葉が元になっており、3楽章はポーランドのオポーレ地方の民謡が使われているとのこと。

「悲歌のシンフォニー」は比較的録音も多いので、明るい曲ではありませんが、ヒーリングミュージックのように聴いてみても良いです。グレツキをご存じない方はぜひ聴いてみてほしいと思います。

ヴァレリー・アファナシエフのシューベルト2010/11/20 21:09

紀尾井ホールでのアファナシエフのオールシューベルトのリサイタル。
楽興の時D.780とソナタD.894。
相も変わらずものすごい緊張感。鍵盤の上で踊る両腕から解き放たれる繊細な音。豪快な音。

RCOにいくことにして予定をたてているとき、アファナシエフのリサイタルがあるのを見つけたので、連泊することを決めました。
東京まで行って聴く価値のある演奏!

ホールを満たす大音響もすごいけど、弱音の多彩な表情もすごい。おもわず涙が出てしまう。
ぜひ関西公演も実現してほしい。

ロイヤル・コンセルトヘボウ/ヤンソンス2010/11/21 23:15

東京遠征の主目的であった、
マリス・ヤンソンスとロイヤル・コンセルトヘボウ管によるマーラーの交響曲第3番を聴いてきました。100分とマーラーの交響曲の中でも最も長い6楽章の曲。
ホルンやポストホルンだけでなく、トロンボーン、トランペット、クラリネットなど思いもよらぬミスがあったけれど、演奏そのものはすばらしいものでした。
ヤンソンスの指揮は非常にバランスが良く、解釈はオーソドックスなものでしたが、それだけにこの大河ドラマのように長い曲を退屈するどころか、一音も聞き逃すことなく集中して聴くことができました。

クラリネット奏者が背後のトランペットソロの時など、耳を押さえているのがちょっと笑ってしまった。

第6楽章の弦楽合奏が始まっても着席したのはアルトのアンナ・ラーションだけ。児童合唱も女声合唱も着席せずなので、このまま起立したままではちょっと気の毒と、音楽以外のことを気にしている場合ではないのですが、、少し心配になりました。子供たちは少しふらふらしているようでしたが、音楽のボリュームが大きくなったところで着席の指示があって、無事座り一安心。

マーラーの交響曲の中で一番好きなのがこの3番。最終楽章の弦楽合奏からの息の長い盛りあがり、最後の二人の奏者が息を合わせて力一杯打ち鳴らすのティンパニ。さらに一番最後のニ長調の和音もまだまだという感じで引き延ばし、そして静寂で終える。このコーダの部分はずっと鳥肌ものでした。

オーケストラが舞台から去った後にも拍手は続き、ヤンソンスのソロ・カーテンコールが演奏を物語っていたと思います。

会場となったミューザ川崎は初めて。サントリーホールがすぐに完売となったというのもありますが、日程と、ミューザ川崎の下見というのもありました。ミューザ川崎シンフォニーホールは箱形のバルコニー席でなく螺旋状に舞台をぐるりと渦巻いて4階まで上昇していく、という感じのブロック配置で左右非対称のユニークな構造のホール。4階席で聴きましたが、舞台は遠いですが、聴きやすく良い音響ですね。あと1階席でも聴いてみるとどの当たりがどんな響きか予想できるかな。

不思議なのはサントリーホールもそうなのですが、開演30分前までオープンしないこと。入り口前にはものすごい人だかりができて鬱陶しいこと。エスカレータを次々と人が上ってくるのに、行き着く先は人の壁。
早めに来て優雅にコーヒーを飲みながらプログラムに目を通すというのもできやしない。

ドガ展2010/11/22 20:20

横浜美術館で開催されている、エドガー・ドガ展に行ってきました。今年いっぱい開催です。
油絵、パステルのほか、スケッチやブロンズ像まで約130点ものドガ作品。踊り子を描いた一連の作品で有名な一点、「エトワール」も。
オルセー美術館でいくつかはみたのですが、遠い記憶がよみがえりました。