PAC第42回定期 ― 2011/04/10 21:35

兵庫県立芸術文化センターの第42回定期は佐渡裕指揮で、ブラームスの2重協奏曲とフランクの交響曲。
1曲目のヴァイオリンとチェロのための協奏曲はPAC卒業メンバーをソリストとして迎えたことで、一流のソリストを迎えてもなにかしっくりこないものがあったりして、難しい曲だと思うのですが、これまで聴いたこの曲の中でも最高レベルといって良い演奏が繰り広げられました。
フランクも実演でなかなか印象深い演奏には出会えないのですが、この日の佐渡さんの指揮とPACの演奏はこれまでのPACの演奏の中でも最高といって良い充実したものになっていたのではないでしょうか。
阪神淡路大震災の復興のシンボルとして企画されたPAC。東北への深い想いが現れていた気がします。
1曲目のヴァイオリンとチェロのための協奏曲はPAC卒業メンバーをソリストとして迎えたことで、一流のソリストを迎えてもなにかしっくりこないものがあったりして、難しい曲だと思うのですが、これまで聴いたこの曲の中でも最高レベルといって良い演奏が繰り広げられました。
フランクも実演でなかなか印象深い演奏には出会えないのですが、この日の佐渡さんの指揮とPACの演奏はこれまでのPACの演奏の中でも最高といって良い充実したものになっていたのではないでしょうか。
阪神淡路大震災の復興のシンボルとして企画されたPAC。東北への深い想いが現れていた気がします。
フレディ・ケンプ ピアノリサイタル ― 2011/02/23 22:00

この日はゴールドベルク変奏曲が前半で、後半にフランツ・リストのリゴレット、愛の死という編曲ものとハンガリー狂詩曲というプログラム。
フレディ・ケンプのリストというとある程度想像がつくのですが、バッハをどう料理するのか?
想像を超えたバッハがそこにありました。あっけにとられたのは変奏間の取り扱い。テンポの大きく変わる曲間を前の曲終了部分でアッチェランドで加速させて、その勢いで次の曲になだれ込む。バッハ以外ではこういった処理をするし、独創的とはいえないのでしょうけど、どこでどうするかを含め、なかなか考えぬいていて見事なもの。
おそらく毎回同じように弾かずにいろんなバッハを聴かせてくれるのではないかと想わせられました。
もちろん、これはバッハではないという意見もあろうとは思いますが。
フレディ・ケンプのリストというとある程度想像がつくのですが、バッハをどう料理するのか?
想像を超えたバッハがそこにありました。あっけにとられたのは変奏間の取り扱い。テンポの大きく変わる曲間を前の曲終了部分でアッチェランドで加速させて、その勢いで次の曲になだれ込む。バッハ以外ではこういった処理をするし、独創的とはいえないのでしょうけど、どこでどうするかを含め、なかなか考えぬいていて見事なもの。
おそらく毎回同じように弾かずにいろんなバッハを聴かせてくれるのではないかと想わせられました。
もちろん、これはバッハではないという意見もあろうとは思いますが。
アンドラーシュ・シフのベートーヴェン後期ソナタ ― 2011/02/18 21:30

アンドラーシュ・シフのベートーヴェン!
いずみホールへ帰ってきたのは、2008年のバッハのパルティータ全曲演奏以来なので3年ぶり。
待ちに待って、ようやく頃合いと録音を始めたベートーヴェンのソナタはライブとは思えない完成度でした。そのシフがベートーヴェンを弾く、それも最後の3曲となれば、万全を期して聴きに行かねば、という公演です。
3曲、休憩を挟まず、曲間も立ち上がらず連続して演奏し、聴く方も3曲というより、3つの大きな楽章をもつ巨大なソナタという一つの世界に有無を言わさず向き合うことになります。
シフの演奏はちょっとしたところでの表現まで気を配っていて、聞き流してしまいそうなところでもおろそかにしないので、え?今何した?と聞き慣れているはずの曲から別の世界が垣間見えてきます。
音楽の造形美を司る黄金律はほんのちょっとしたことで崩れてしまうけれど、それに近づくためにいかに緻密にコントロールするか。想像を絶する想いが込められている。
いずみホールへ帰ってきたのは、2008年のバッハのパルティータ全曲演奏以来なので3年ぶり。
待ちに待って、ようやく頃合いと録音を始めたベートーヴェンのソナタはライブとは思えない完成度でした。そのシフがベートーヴェンを弾く、それも最後の3曲となれば、万全を期して聴きに行かねば、という公演です。
3曲、休憩を挟まず、曲間も立ち上がらず連続して演奏し、聴く方も3曲というより、3つの大きな楽章をもつ巨大なソナタという一つの世界に有無を言わさず向き合うことになります。
シフの演奏はちょっとしたところでの表現まで気を配っていて、聞き流してしまいそうなところでもおろそかにしないので、え?今何した?と聞き慣れているはずの曲から別の世界が垣間見えてきます。
音楽の造形美を司る黄金律はほんのちょっとしたことで崩れてしまうけれど、それに近づくためにいかに緻密にコントロールするか。想像を絶する想いが込められている。
関西フィル第226回定期 ― 2011/02/15 22:16

指揮に岩村力さん、ソリストに神尾真由子さんを迎えての関西フィルハーモニーの定期演奏会。岩村さんはPAC管弦楽団のレジデント・コンダクターに就任と言うことで、関西フィルへの出演は少なくなるのかもしれません。
神尾さんのヴァイオリンはオーケストラとの共演でなくリサイタルを聴きたいのですが、チャイコフスキー・国際コンクールに優勝後、なかなかチケットが手に入らないのが困りもの。
プログラムは
・ブラームス/ ヴァイオリン協奏曲
・権代敦彦/ ジャベータ-葬送の音楽 I
・レスピーギ/ ローマの松
神尾さんのブラームスの協奏曲はそういえば昨年のブタペスト祝祭管弦楽団とイヴァン・フィッシャーとの共演で聴きましたが、出来は今回の方が良かったと思います。イヴァン・フィッシャーの解釈がちょっと恣意的な感じが強く、オケとの空回りが気になるという印象でその中で独奏者ものびのびと弾けていなかった。
関西フィルと岩村さんの指揮では、お互いに力を出し合って曲をまとめ上げる方向性がうまくかみ合って、曲の魅力を存分に引き出せたように思います。
神尾さんのヴァイオリンはオーケストラとの共演でなくリサイタルを聴きたいのですが、チャイコフスキー・国際コンクールに優勝後、なかなかチケットが手に入らないのが困りもの。
プログラムは
・ブラームス/ ヴァイオリン協奏曲
・権代敦彦/ ジャベータ-葬送の音楽 I
・レスピーギ/ ローマの松
神尾さんのブラームスの協奏曲はそういえば昨年のブタペスト祝祭管弦楽団とイヴァン・フィッシャーとの共演で聴きましたが、出来は今回の方が良かったと思います。イヴァン・フィッシャーの解釈がちょっと恣意的な感じが強く、オケとの空回りが気になるという印象でその中で独奏者ものびのびと弾けていなかった。
関西フィルと岩村さんの指揮では、お互いに力を出し合って曲をまとめ上げる方向性がうまくかみ合って、曲の魅力を存分に引き出せたように思います。
三浦友理枝&遠藤真理 デュオ・リサイタル ― 2011/02/11 22:04

川久保さんが加わったトリオでの公演も各地でされていますが、今回はピアノとチェロによるデュオ・リサイタル。
曲目はプーランクやドビュッシーのチェロ・ソナタなどを中心に編曲もので最後にはファリャのはかなき人生から「スペイン風舞曲」、マルティヌーのロッシーニの主題による変奏曲、カステル・ヌォーヴォ=テデスコのフィガロというなかな凝った選曲。この最後の2曲が聴きたくて京都コンサートホールまで足を運びました。
チェロのリサイタルとなるとどうしても地味になるか、編曲ものに頼らざるを得ないのですが、話によるとマルティヌーはお二人がプログラムを決めるために曲を選んでいる時、インターネットで見つけたとのこと。
マルティヌーはアニバーサリー・イヤーではさほど取り上げられなかった作曲家ですが、結構すきなのですが、交響曲第4番などの他はなかなか取り上げられず、どこかで協奏曲でも演ってほしいと想っている次第。そんななか、チェロソナタでなく、ロッシーニの主題による変奏曲が取り上げられるという、またとない選曲に聴きに行ってきた次第。
曲目はプーランクやドビュッシーのチェロ・ソナタなどを中心に編曲もので最後にはファリャのはかなき人生から「スペイン風舞曲」、マルティヌーのロッシーニの主題による変奏曲、カステル・ヌォーヴォ=テデスコのフィガロというなかな凝った選曲。この最後の2曲が聴きたくて京都コンサートホールまで足を運びました。
チェロのリサイタルとなるとどうしても地味になるか、編曲ものに頼らざるを得ないのですが、話によるとマルティヌーはお二人がプログラムを決めるために曲を選んでいる時、インターネットで見つけたとのこと。
マルティヌーはアニバーサリー・イヤーではさほど取り上げられなかった作曲家ですが、結構すきなのですが、交響曲第4番などの他はなかなか取り上げられず、どこかで協奏曲でも演ってほしいと想っている次第。そんななか、チェロソナタでなく、ロッシーニの主題による変奏曲が取り上げられるという、またとない選曲に聴きに行ってきた次第。
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