muna's blog

指揮に大友直人氏を、ソリストは新村理々愛さんを迎えた大阪シンフォニカーの定期です。プログラムは
・ヴォーン＝ウィリアムズ：タリスの主題による幻想曲
・モーツァルト：フルート協奏曲第2番 K.314
・エルガ－：交響曲第2番 Op.63

決して演奏機会の多いとは言えない曲ですが、大フィルの定期でエルガーの交響曲は来年の1月定期に予定され、タリスの主題による幻想曲も全期に取り上げられており先日、こういった曲がかぶるのも珍しいです。

タリスの主題による幻想曲は、2群に分けられたシンフォニカーの弦が活きた深みと暖かさのある味わい深い好演でした。
モーツァルトではソリストの新村さんの15歳とは思えない超絶技巧の注意を奪われ、オケのほうはどうだったのか記憶が定かでないのですが、大友さんはソリストをしっかりサポートしてのびのびと吹けたのではないかと思います。

エルガーの交響曲第2番ですが、ちょっと気負いすぎたのか、荒さが出てしまった面も聴かれましたが、エルガーのオーケストレーションの輝かしさがきっちり表現されて、あまり演奏されないこの曲の魅力を引き出していました。

アンドレア・ルケシーニのピアノリサイタルを聴いてきました。
プログラムは
・スカルラッティ：ソナタ ニ長調K.491、ト長調K.454、イ長調K.342、ト長調K.146
・シューベルト：4つの即興曲 D.899
・ショパン：24の前奏曲 Op.28

スカルラッティをピアニストが演奏するのは最近増えてきましたね。

さて、演奏は非常に良い意味で安心できる優れたもの。奇をてらうことなく実直そのものという感じです。

音楽は再現芸術ですが、演奏家とその解釈によって新しい魅力に気がつかされるのも楽しみの一つ。でも新しいことをすればよいわけではなく、納得させられるだけの説得力が必要です。
ルケシーニの演奏は自信を持って曲に寄り添いつつも自分の言葉で語っているという点で、安心して耳を傾けることができる演奏だったと思います。

アンコールはシューベルトの楽興の時、リストのラ・カンパネラ。